September 17, 2024

「人を思いやり、大切にする。そうすれば、相手も自分を思って大切にしてくれる。
誰に対しても、そういう思いでいれば、きっと幸せな心で生きてゆけるはずです。」
これは母が残してくれた言葉。そして、私が生きる上で一番大切にしていること。
私と母が一緒に暮らしたのは、私が生まれてから10歳になるまで。
それから会うことが許されない年月を経て、私が14歳の時に母は癌で他界してしまった。
母と過ごした時間は、私のその後の人生の時間を考えると決して長くないが、現在の自分にとって最も大きな部分、思い・考える基盤を作ってくれたのは母の存在だと思う。
記憶というのは薄れていくもので、年々思い出せないことが増えていく。
とても好きだった母の声も、今ではもう思い出せない。
その一方で、いつまでも変わらずそばにいて、私を支えてくれているものがある。
母が私たちに残してくれた日記だ。
進行癌の診断を受け、回復できるのかどうか、またいつか私と兄に会える日が来るのかどうかも分からなかった母は、私たちへの思いや、どうしても伝えたかった言葉を、日記として書き残してくれた。
残念ながら決して長くは続かなかった日記だが、その中には、私たちが生きていく上で必要な言葉、嬉しいことがあった時に聞きたい言葉、困った時や苦しい時に支えてくれる言葉、決断に迷った時には道を示して背中を押してくれる言葉など、母が私たちの人生を先回りして残してくれた言葉で溢れている。
もしかしたら、私たち以外の誰かにとっても、何かを考えるきっかけになったり、力をくれる言葉なのかもしれない。
母が残してくれた言葉と、それと対話する私の想いや考えを「私たちの日記」として書き記してゆきたい。